消費者庁は2017年10月27日、スマホアプリ内でのみ使える、独自の〝仮想通貨〟(頭文字を取って「C」とします)を商材に連鎖販売取引を展開していたY社に対して、特定商取引法に基づき3カ月間の取引停止を命じました。ホットな話題ですから、今回はこの件を取り上げてみましょう。
行政処分では同社の会員が、「C」の価値について「完全に上がる。買わなきゃ損をする」「1カ月半後の公開時には10倍に値上がりする」などと言って会員になるよう勧誘していたことが、不実告知、つまりうそをつく行為に当たると判断されました。
そのほかに、勧誘に先立って社名、勧誘目的、役務(サービス)の種類を言わなかったことが「氏名等不明示」に当たると判断されました。さらに、概要書面を交付していなかった例まであったようですから、処分を受けても致し方ない事例といえるでしょう。
告知義務を再確認しよう!
皆さんもこれを「他山の石」として、勧誘活動の中で、①勧誘前の告知義務を果たせているか、②将来の不確実なことに対して「必ずもうかる」といった断定的な言い方をしてしまっていないか、③渡すべき書面をちゃんと渡せているか――等々について、ぜひ再確認してみてください。
今回の処分にはもう一つのポイントがあります。それは、扱う商材が仮想通貨だったことです。実はいま、この仮想通貨を商材にした連鎖販売取引が業界内ではやってしまっています。疑似仮想通貨を連鎖販売で扱う多数の事業者がすでに存在するともいわれています。
触らぬ神に祟りなし!
有名な「ビットコイン」を始めとした仮想通貨は、値上がりなどが話題になることも多くなっており、社会的関心が高まっています。そこに付け込んで、二束三文の独自の仮想通貨を立ち上げ、マネーゲームをけしかけようとする悪質な事業者も少なくないのです。
しかしこれは危険なゲームです。実際にY社の事例でも、約200億円ものお金が集められたと報道されていますが、同社の銀行口座は凍結されたと言われており、どれだけのお金が出資者の手元に戻るかは疑問です。「触らぬ神に祟りなし」と心掛けるべきでしょう。
もう一つ注意すべきなのは、こうした悪質なマネーゲームに、ネットワークビジネスのグループごと騙されてしまうケースがあるということです。とくにリーダーがのめり込んでしまうと、傘下を含めグループごと、路頭に迷わせることにもなりかねません。仮想通貨を始めとした、商品実態のないマネーゲームには、絶対に近付かないということを心掛けましょう。