世界のネットワークビジネスと日本

 ネットワークビジネスが日本に紹介されたころ、この新手法は流通革命だと期待された。日本の流通機構は複雑で何段階にも層が重なり、商品が生産者から末端の消費者に届けられるまでには時間とコストがかかるため、流通機構の改革が求められていたからなおさらだった。

 ところが、日本のネットワークビジネスはとかく物議をかもすようになったのである。ネットワークビジネスがまるで「ネズミ講」や「ピラミッド型」の商法であるかのように見られるようになってしまった。

 この風評は業界に携わる人の知識のなさやビジネスのやり方の乱用にも、その原因の一つであるだろう。日本政府はこのような無責任な商法を取り締まる一方、ネットワークビジネスの保護・育成を図り、行政指導で業界を守るべきではなかろうか。

 アメリカのネットワークビジネスは巨大産業で、市民権を持った立派な業界だ。世界のネットワークビジネスも年々、増加し成長している。この現実から多くを学ぶべきではないか。

9,150万人が1,500億ドルを売り上げ

 WFDSA(World Federation of DirectSelling Association)の調査資料によると、2011年、世界でネットワークビジネスに関わったセールスパーソンは、およそ9,150万人である。

 この人たちは、パートタイマーであったり、独立していたり、または単に収入増のために取り組んでいたり、あるいは、新しい技術の習得をめざしたり、自己尊厳に励もうとしたり、または地域に利益を還元したいと考えたり、などと動機は実にさまざまだ。

 同年の世界の総売り上げは、何と1,537億ドルに達するという。ちなみに沖縄県の年間予算は2013年で71億9,033万8,500ドルである。世界の売上高はこの20倍以上にもなる。アメリカ単独の売上高は県予算の4倍強である。

将来性豊かなアジア市場

 本場アメリカは世界のトップで、およそ300億ドルをマークしている。その10年前に比べ、100億ドルの増加である。わが日本は世界第2位で、240億ドルを記録し、3位の中国を大きく引き離している。以下、4位から10位までを書き出しておこう。

 4位ブラジル、5位韓国、6位メキシコ、7位ドイツ、8位ロシア、9位イタリア、10位フランス。ちなみにグローバルエナジックとかかわりの深い国々の順位は次のとおりだ。カナダ(11位)、マレーシア(12位)、台湾(13位)、タイ(14位)、英国(15位)、オーストラリア(17位)。

 年間10億ドル以上を売り上げている国は世界に22カ国あり、総売り上げの90%を占めている。トップ5カ国では60%を占め、圧倒的だ。

 さらにセールス統計を見ると、売り上げがフラットで推移している国が多い中、アジアの途上国は成長を続けている。増加率は18%にも及ぶが、世界の人口の85%が住む地域だけに、やがて巨大な市場になるであろう。彼らの生活水準の向上意欲もまた、市場の拡大に貢献するであろう。アジアはネットワークビジネスにとっても、実に将来性豊かな地域なのだ。