化学用語も出てきて少々面倒だがやはり原理はおさえておきたい。
そもそも水の電気分解( e l e c t r o l y s i s )とはいったい何のことでしょう。それはこのように定義されています。外部から電気エネルギーを使って水に電圧をかけることにより、陽極(プラス)側で酸化反応、陰極(マイナス)側で還元反応を引き起こす、水を化学的に分解する操作。今回はこの原理をもう少し詳しく説明してみましよう。
皆さん、ご存知のとおり、水の化学式はH ₂ Oです。実は水はこのH ₂ Oだけでなく、他の物質も含んでいます。それがミネラルです。ミネラルは現在わかっているだけで1 1 4 種類もあります。
そしてわたしたちの身体にとって欠かせないミネラルは、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛、ナトリウム、マグネシウム、リン、セレン、銅、クロム、マンガン、モリブデン、ヨウ素、コバルト、硫黄、塩素の16種類です。
このほか水によく含まれているミネラルには、カルシウムとマグネシウムがあります。この両方がたくさん含まれていると硬水で、少ないと軟水とされています。
そもそもH₂Oというのは中性(pH7)です。何もしていない時には、水の分子はごく一部が水素イオンと水酸化イオンとして存在しています。この水素イオン濃度が高いと酸性でp H 値は7未満となり、水酸化イオン濃度が高いとアルカリ性でp H 値は7より大きくなります。
電気分解では水に電極をつけてスイッチを入れて電圧をかけます。そうすると陽極(プラス側)にはマイナスイオンが引き付けられ、水分子が電子を失い酸化されます。同時に陰極ではプラスイオンが引き付けられ、水分子が
電子を受け取って還元されます。
このように陽極側では酸素と水素イオン(H )ができて酸性となり、陰極側では水素と水酸化物イオン( O H )ができてアルカリ性になります。
言い方を変えると、酸化は電子を失うことで、還元は電子を受け取ること。その結果、前者では酸素ガスと水素イオンが発生し、後者では水素ガスと水酸化物イオンが発生します。ちなみに還元水の細かい泡は水素ガスです。
では水に含まれているミネラルはどのようになるのでしょうか。ミネラルは水の中ではプラスイオンとして存在しているため、陰極側に引き寄せられます。
還元水を作るときには、電気分解でできた水を分けるために隔膜が必要です。隔膜がないとせっかく電気分解をしても元の水の分子に戻ってしまって、アルカリ度が低くなります。ちなみに水素生成が目的の場合は、隔膜がないものが使われています。
■「シンノオル」から始まった歴史
水を電気分解することによって酸性電解水と還元水を得られる――ではこの方法はどのように開拓され、どんな経緯をたどって現在に至っているのでしょうか、ここで電解水生成器の歴史を振り返ってみましょう。なお以下の記述は、エナジックインターナショナルも会員の「アルカリイオン整水器協議会」のホームページに多くをおっています。
1931(昭和6)年ごろに、シンノオル電機という会社の諏訪方李氏が、水と電気の関係に着目し、研究を開始しました。その後も研究を重ね、電解水の植物の影響について研究を始めました。そして1952(昭和27)年、最初の電気分解装置を開発しました。2年後には農業面(稲作)で活用できる器械を作り、さらに医療面での活用を念頭に調査・研究が重ねられました。
※註:シンノオルは漢字で神農王留と書きます。これは神農王が宿っているような機械ということで名付けられました。神農王とは古代中国で医と農を司る神さまと言われています。
そして1958(昭和33)年、多くの医師や一般の利用者による臨床実験・使用体験を基に、「シンノオル液製造機」という名の還元水生成器が開発されました。ここから現在の隆盛の大本を作った動きが始まります。
1962(昭和37)年、長野県と京都府の業者からそれぞれ厚生省(当時。現・厚生労働省)に電解装置が持ち込まれ、医療機器としての製造認可の申請が出されました。しかし各地の水道水の質が違うため、同じ性状の電解水を生成できない、という限界に突き当たりました。
その解決策として、乳酸カルシウムを添加し安定的に生成するという方法が取られ、1966(昭和41)年に、ようやく製造承認されて、医療用物質生成器として薬事法(当時)の適用を受けることができたのです。
■厚生省が電解水の薬効を承認
話は前後しますが、厚生省は1965(昭和40)年10月8日に、次のような内容の[厚生省薬務局長 薬発第763号 各都道府県長宛]を発出し、電解水の薬効を公式に認めています。
すなわち、還元水(アルカリイオン水)は、消化不良、胃酸過多、腸内異常発酵に有効。酸性水は収斂作用、アストリンゼント効果がある。これ以降、医療用電解水生成器として製造承認を受けた器械が、次々に市場に登場してくるようになります。
また、装置としての改善も進みました。1979(昭和54)年には、水道の蛇口に直結できる連続式電解水生成器が承認されました。水道とつなげて直接、電解水を生成できる、というのはたいへん便利な仕組みで、一般家庭での普及も進みました。ちなみにエナジックインターナショナルのレべラックシリーズも、もちろん連続式です。
このように進化発展し、社会一般の認知度も深まってきた電解水生成器ですが、1992(平成4)年6月、あるテレビ局のニュース番組が還元水を「驚異の水」と取り上げたことが発端になって、大きな騒動になってしまうのです(以下、次号へ続く)。