大城はしばしば、「夢はみるものではない。成し遂げるものだ」という。これを「成功者の話」と片付けてしまわないことだ。その意気込み、気構え、そのための計画が大切である。
夢を追うには歩き続けるエネルギーがなければならない。多くの夢みる者が途中下車をしてしまう。ついていけないという。自分の夢だから他人に歩かせることはできない。自分の健康は自分で管理しなければならないように、夢の実現もその自己管理が必要だ。
目標を立て、計画を立案し、実行、反省、時には軌道修正が必要かもしれない。そして、忍耐、ブレない希望と期待、信念があれば、失敗、苦難などを克服できる。逆境に言い訳をしてはならない。大城はそのよいモデルとして我々に多くを伝えてくれる。次の英文は大城が皆さんに贈りたい言葉ではなかろうか。「Yes,I’vedoneit,soyoucantoo!」(わたしは成し遂げた。だからあなたにもできる)。
大切なのは「失敗から学ぶこと」
大城は結局、ソニー販売店としては失敗したが、多くを学んだことは確かだ。転んでも何かを掴んで起き上がることが大切だ。もう一点加えると、大城のソニーへの忠誠心だ。講演の中で同社を称え、家電用品などの購入はソニー製品を優先しているようだ。仮にソニー車があれば、大城はソニー車を乗り回していたことであろう。
忠誠心は信頼というキャラクターを伴わなければならない。信頼できない人がいくら忠誠心を誓っても、はなはだ迷惑だ。逆に信頼があっても忠誠心がないと、その関係は長続きしない。ビジネスの成功は上司等への信頼と忠誠心が不可欠だ。
こんなエピソードがある。かつてスタンダード石油会社(1910年代に独占禁止法で解体、分割された)にジョン・アーチボルトという社員がいて、「一樽4ドル」というニックネームで呼ばれていた。彼は社用で出張すると、ホテルで名前を書くときに「一樽4ドル・スタンダード石油」と書き添えていたからだ。
それが社員の間に広がり、ジョン・ロックフェラー社長の耳にまで入ってきた。社長はこんなに会社を愛し、仕事に一生懸命の青年なら一度会ってみたいと思った。やがて二人はテーブルで向かい合った。それがきっかけとなって、やがて二人はスタンダード石油会社の将来を担うことになった。ロックフェラー社長がアーチボルトを副社長の地位に任命したのだ。アーチボルトは社命でもなく、会社を愛し、自分の名前の傍らに社名を入れるほどに忠誠を尽くした。欲のない忠誠心は、いつか報われるのである。
「内堅外広」で羽ばたこう!
何という教訓だろうか。忠誠心はサクセスへの一本の道である。ネットワークビジネスに携わる人たちは、得てして激流のように会社を渡り歩く。だが、私利私欲、近視眼的な思いつきのネットーワーカーに成功があるだろうか。じっくりと一社を選び、その商品を愛し、忠誠心をもって取り組んでこそ、夢への道も近いのではなかろうか。
「内堅外広」は筆者の造語で、「ナイケンガイコウ」と読む。内側を固めて外に広げるという意味だ。聖書の中にミカという預言者がいるが、イスラエルの国に次のように予言した。「あなたの城壁を築く日が来る、その日には国境(くにざかい)が遠く広がる」
当時、敵によって城壁が崩されていたが、やがてその城壁が修復され再建される。その時に国境を広げるという意味である。この言葉はビジネスの世界にも個人にも当てはまる教訓に満ちた言葉だ。敗北により傷ついた人生を立て直し、内側を固めてから外に向かって成長していく、ということだ。
企業も内側をしっかり固めなければ外に広げることはできない。日本企業であるならば、日本国内でしっかり成長してこそ、隣国、または世界の国々へ広げることができる
のである。