消費者安全法に基づき”未処分”でも社名を公表!

 消費者庁は2019年9月27日、「特許権を取得した通信機器で収益を得られるなどとうたい、高額の投資をさせる事業者に関する注意喚起」という文章を発表し、問題の事業者の名前を公表しました。

 行政処分をおこなった企業の名前を公表するのは一般的ですが、処分されてもいない事業者の名前を公表するのは異例です。今回の注意喚起・社名公表は、消費者庁の設置に伴い2009年に施行された「消費者安全法」という法律に沿ったものでした。

 社名公表の対象になったのは、LED高速通信(以下L社)という会社です。L社は、各地で「LED高速通信機器(以下LED機器)」と呼ばれる商品に関するセミナーを開催し、「加盟店」を募集していました。しかし募集にあたってウソの説明(不実告知)が確認されたことから、消費者庁は社名公表に踏み切りました。

ウソだらけの事業内容

 L社との加盟店契約は、①契約者は、L社からLED機器を32万4,000円で購入、②契約者は加盟店協力金として21万6,000円をL社に支払う、③購入した商品は契約者には引き渡されず、L社が運用、④契約者は、運用によって得られた収益の一部を受け取るーーという内容になっていました。

 消費者庁が不実告知と認定したのは以下のようなことです。たとえばL社は、LED機器について特許を取得していると説明していましたが、取得していませんでした。

 また、「加盟店契約をすれば、半年から1年後には、LED機器の取り扱いによる売上を按分した金銭を定期的に受け取ることができ、すでに金銭を受け取っている消費者もいる」かのように説明していました。

 しかし実際にはセミナー開始時点でLED機器は1台も製造されておらず、売上を按分した金銭も支払われてませんでした。加盟店契約をした消費者に対して、数回に渡り1~2万円程度を支払っていましたが、LEDの運用収益からの支払いではありませんでした。

公表は被害防止のため!

 消費者庁では、こうした事実を確認し注意喚起を行ったのです。通常こうした事案では、特定商取引法等による処分がおこなわれることが多いのですが、今回は(2010年10月2日時点で)実施されていません。処分が行われないのは、19年8月までの2年5ヶ月で64件と、L社関連の相談件数が少数にとどまっているからかもしれません。

 このような投資型案件の場合、事業が破綻し支払いが滞ってから、相談件数が急増する傾向があります。今回、消費者庁は、①L社が自転車操業であることは明らか、②将来的に多くの消費者被害を生む可能性が高いーーと認定し、被害の拡大を未然に防ぐ意味も含め社名公表に踏み切りました。こうした投資型の案件は、全国的にも増加傾向にあります。皆さんも、だまされないよう、くれぐれも注意して下さい。