訴訟社会アメリカにエナジックも巻き込まれた

 アメリカは訴訟天国で、弁護士人口が多い。さすがに最近では弁護士志望者が減ったと聞くが、それは歓迎すべきことだ。友人の弁護士の話だが、自動車業界にはこんなジョークがあるという。「日本車の輸入規制をするよりも、アメリカの弁護士を日本に輸出したほうが、より効果的だ」と。
 人権擁護の名の下に、権利の主張、要求はアメリカの社会を歪めている側面がある。「いつでも、どんな理由でも訴訟ができる」――この合点のいかない合法性が、不必要に弁護士の数を増やし、「権利を主張しないと損」とばかりに、企業や市民を訴訟へと煽り立てているのではないか。
 市民も企業も競争相手に言いがかりをつけて、訴訟へと引きずり込む。会社の内部でも訴訟問題は頻繁に起こる。現実に、勝訴を見込んだ金儲け主義の裁判沙汰は後を絶たない。牽強付会まがいの訴訟はつきないのである。

4年間も続いた裁判闘争

 エナジックUSAはこの類の訴訟に引っかかり、4年近く裁判闘争をすることになった。弁護士費用はもちろん、担当社員の人件費、州外への出張費、何万ページもの膨大な資料作成費、弁護士とのたび重なる会合、無駄な法廷出頭等、実に莫大な資金を費やし、大きな損失を被ったものだ。
 その結果、陪審員は10項目以上にわたる訴えを全て否定し、エナジック社の完全勝利となった。アメリカの法制度は告訴されたら受けて立つしか術はないのだ。弁護士を立てて提訴されると、被告も弁護士を立てて闘わない限り、正しい立場でも敗訴となる。
 アメリカは素晴らしい国だ、多くの人がアメリカを愛している。しかし、このような権利の濫用は別だ。大城が弁護士を嫌うのも、行き過ぎた法治国の矛盾が存在するからだ。何事であれ、話し合いの解決が望ましい。

未だ市民権を得ない日本のMLM

 それにしてもなぜ、日本市場は未だにネットワークビジネスに市民権を与えていないのか。ここ米国ではネットワークビジネスは社会的に受け入れられた立派な仕事として歓迎されている。
 しかし、日本は未だこの業界には拭えない不信感があるようだ。日本で最初のネットワークビジネスが始まったのは、1960年代に、アメリカ企業のタッパーウェアが進出してからとされている。
 以来、多くの内外の企業がMLM(Multilevel Marketing)を展開してきた。1990年代にはハーバーライフ、ニュースキンなどの大手のMLM社が日本に進出し、現在も市場拡大を続けている。
 MLMのブームに便乗したのが悪徳商法、マルチ商法だ。これらの商法の弊害はいまも悪影響が大きく、社会的、経済的に貢献している多くの善良なMLM企業のイメージを阻害し、本来のビジネスの姿を歪めてしまっている。まことに残念な状態にあるといえよう。