還元水飲用群と浄水飲用群で比較実験した結果を紹介!
糖尿病患者は世界的に増加の一途を辿っています。以下、IDF(国際糖尿病連合)の統計数字を使って紹介してみます。
2021年には糖尿病患者は世界で5億3,700万人、日本では1,100万人とされています。2015年の報告では日本の糖尿病患者数は世界9位でしたが、2017年には10位以下に下 がりました。しかし2 0 2 1 年の数 字では9位に戻ってしまったのです。
こうした糖 尿 病 患 者の9 0%が 2 型 糖 尿 病で、主な原因は、都市化、高齢化、運動不足、不健康な食事、過体重や肥満です。ひと言では「 生 活習慣 が 原 因 」といえるでしょう(1型は自己免疫疾患が原因とされています)。
日本では2019年に糖尿病関連の医療費は2.6兆円使われていますから、予防と患者の削減は喫緊の課題といえます。
■効果的な運動療法と食事療法
糖 尿 病は薬 物 療 法 以 外に運 動 療 法 、食 事療法が大事です。これは健康的に生活する上でも同様です。
といっても激しい運動をする必要はありません、実は日常生活で十分に動けていれば、わざわざ運動をする必要はないのです。都市化で運動不足になるといわれていましたが、実は最近、地方の人の方が運動不足になることが多いのでは、とされつつあります。
というのも、地方では交通の便が悪いためどこに行くにも車が必要ですが、都会の場合は交通機関が発達しているので、案外、歩いています。注意しないといけないのは、コンクリートの上を歩くとクッションがないため膝を痛める原因になることです。
通勤時もクッション性のあるウォーキング用の靴を履いて、少し歩幅を広くして筋肉を使い歩くとそれだけでよい運動になります。そして休みの日にできれば土の上を歩く機会を作ると、とてもいい運動になります。ただし整備された芝生は除草剤などの化学薬品が使われていることがあり、体に悪 影 響を与えることもあって注意が必要です。
糖 尿 病 患 者の食 事の基 本は、間 食を控えて食べすぎず腹8分目までにすることです。そしてアルコールは飲みすぎないこと。
食事内容としては、インスタント食品、加工食品、冷凍食品はなるべく避けましょう。砂糖を使わず、天然の塩、醤油、味噌、出汁で味付けをしたいですね 。昔ながらのご飯と汁 物 、主 菜と副 菜 の組み合 わせが 一 番 簡 単で、糖尿病患者にふさわしい食事なのです
■高い血糖値=糖尿病ではない!?
糖尿病というのは血糖値が高いことだと思っている人が多いと思います。しかし食事を摂ると糖が消化吸収されて、誰でも血糖値は上がります。そして膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血中の糖を細胞の中に取り込んでエネルギーとして使用できるようにします。このインスリンの効き目がうまくいかなくなることを“インスリン抵抗性”といいます。肥満や運動不足などさまざまな原因によって、このインスリン抵抗性が高くなって血糖値が下がりにくくなると、たくさんのインスリンが必要になります。それが長期間続くと膵臓が疲れてきてインスリンの分泌量が減退し、(2型)糖尿病になるわけです。この場合、運動療法や食事療法を頑張ってもインスリン抵抗性はなかなか改善しません。
■東北大学の実験が示した有益性
その解決策として期待されているのが、以下に示した実験のような「還元水の飲用」なのです。東北大学高度教養教育・学生支援機構の小川晋准教授(研究当時は東北大学大学院医学系研究科)らのグループは、2型糖尿病患者が電解水素水(還元水)を日常的に飲用することで、高値のインスリン抵抗性に改善効果があることを明らかにしました(論文は日本糖尿病学会『DiabetologyInternational』誌の電子版2021年7月18日号に掲載)。
実験は、インスリン治療を受けていない2型糖尿病患者を対象におこないました。電解水生成器を還元水だけ出るものと浄水のみが出るものを見た目が分からないように改造し、患者も還元水だけと浄水だけを飲む群に区分けました。そして、それぞれに3カ月間、毎日1500mlから2000mlを飲用してもらいました。そのうえで、還元水を飲んだ群(23名)と浄水を飲んだ群(20名)で臨床データを比較しました。
そうすると、還元水を飲んだ群は血中の乳酸濃度が低下し、尿中への尿酸の排泄の増加と尿のpHの上昇が見られました。還元水を飲むことによる副作用は認められませんでした。論文の概要では、インスリン抵抗性の改善について2群間の有意な差は認められませんでした。しかしインスリン抵抗性が1.73以上の高い群だけを取り出して解析したところ、インスリン抵抗性の改善と酸化ストレスの指標の一つである総酸化度(d-ROM)の低下が見られました。つまり活性酸素の働きが鈍ったとみることができます。また、インスリン抵抗性が1.73未満の低い群については、還元水飲用群だけが総抗酸化度(BAP)が有意に上昇していました。これは抗酸化力が上がったということですから、歓迎すべき結果といえますね。
さらに、還元水を飲むと血清カリウム値が上昇したり、水素イオンが上昇したりすることで血中の酸性度が高くなって、さまざまな症状を引き起こすのでは、との懸念は杞憂でした。
また、水素イオンの上昇ではなく、水素分子の増加を示したため、「還元水はアルカリ性の水である」ことを、改めて裏付けました。
以下が実験の結論です。
還元水の飲用は、不適切に増加した酸化ストレスを抑制し、インスリン抵抗性を減少させた。インスリン抵抗性が正常な人にとって還元水の飲用は問題がなく、インスリン抵抗性が増加した2型糖尿病の人にとっては、有益な効果が期待できると考えられる――。これは、健康維持のために飲む水として還元水が有用である、ということの裏付けの一つになる研究ではないでしょうか。今後、さらに大規模なスタディ結果の発表が期待されます。

上古眞理
略歴:
医学博士。エナジックインターナショナル顧問。
(株)Peak Health Energy 代表取締役。1990年、滋賀医科大学卒業。
同大内科医局の研修を経て93年、同大医学部大学院に進み、96年、医学博士号取得。
98年4月より2017年12月まで京都岡本記念病院に勤務。
18年1月より19年12月まで彦根市立病院勤務。
専門は神経内科。滋賀県在住