人間、学ぶことを怠ると怠慢になり、学ぶことを止めると動物に成り下がる、とは筆者の持論だ。目や耳でたくさんのことを学ぶことができる。成功した人を真似て学び、そして成功への近道を探る。逆に、人の失敗からよく学んで同じ路線を走らないように避けることもできる。要するに、学びたいという意欲さえあれば、人の失敗は貴重な成功へのマニュアルになろう。
「七転び八起き」という言葉があるが、「転び」を繰り返しても、そこで宝を見つけることができる。大城は、「失敗は宝」と考えている。なぜなら失敗の中にその人の発想、計画、実行に費やしたエネルギーの足跡があり、また、多くの知恵が隠されているからだ。したがって同じプロセスを繰り返すことはない。また、日本人得意の“改善”を加えることもできる。
失敗は次のステップの足場!
失敗を無駄と考えると、人は前に進むことができない。積極的に考えると、失敗は次のレベルへの足場となる。大切なのは、その中に価値を見つけていくことだ。大城のこれまでの最大の失敗は、日本シグマック社の閉鎖であるという。しかし、その辛い失敗から多くの掛替えのない有益なものを得たともいう。
彼は困難を体質改善の条件と考えている。困難に負けると敗北となり、勝ち抜いて進むと、逆境に強い精神的強靭さを得る。要するに体質改善をしながら強くなる。また、困難を体験すると人の困難に同情することができる。失敗や困難に直面しないと、温室の中に育った人のように弱々しくなる。
とくに営業マンは打たれても立ち上がる気力、気構えが大事である。TVでボクシングを観ると、叩かれ、打たれた側の反撃は猛烈だ。ナニクソ精神が生じるからだ。これは人間の習性であろう。初めから失敗や困難を避けようとする用心深い人は、困難が来ると真正面から立ち向かう勇気が出ない。困難は体質改善に必要な条件である、と最初から弁えておくべきであろう。
環境は人を作り変える強力なパワーであることは周知の通りだ。孟母三遷の教えを再び引き合いに出すまでもない。学校の隣に住むと学業に励みやすく、商売人の隣に住むと商才に長けてくる。小さな島に住むと物事を小さく考え、夢も小型になる。アルコール依存症や麻薬常習者の子どもたちは親と同じになる確率が高い、と統計も警告している。
「無はプラス」と考えよう!
人は環境の動物と言われる。大城は環境を作り変えろ、それに負けるなと励ます。小さい島に育ったから大きなことを考えるなという法則はない。人が環境を作り変えるのだ、環境に作られてはいけない。
「Yes, I’ve done it, so you can too!」。これは、「わたしは成し遂げた。だからあなたもできる」と訳せるが、まさにチャレンジ精神の発露と受け止めることができよう。そもそも大城は無からスタートした。ある時は無ではなく、もっと最悪なマイナスからスタートしている。マイナスの状態を考えれば、無は「プラス」である。だから無の状態の人はプラスと考えて、積極思考で進むことができる。
要は、どんなときにも自分の夢を捨てず、夢の達成に力を尽くすべきだ。その夢に大小はないと思う。そして人の夢は自分の夢のモデルとすればいいのだ。あなたの夢やゴールをまず想定し、そのためにエネルギーを注ぐことだ。夢がないと羅針盤のない船のようにどこに向かっているか分からない。先が見えないのだ。どこに立っているのか自分の現在地が読めない。
いまはGPS(Global Positioning Satellite System)の時代だから、盗難車がどこにあるのか見つけることができる。しかし、自分が人生のどの地点にいるか分からないとすれば悲しいことだ。われわれの人生には「GPS」が必要だ。夢を持つことは人生に一番大切なことではないか。