特商法の処分件数 大幅増の理由

 消費者庁では先日、2018年度(18年4月~19年3月)の、特定商取引法(特商法)に基づく処分件数について集計し、発表しました。それによると、18年度の総処分件数(国と都道府県によるものを合算)は、前年比61件増の130件となっていることが分かりました。かなり増えていますね。

 増えた要因として最も大きいのは、17年12月に施行された改正特商法で「業務禁止命令」が新たに創設されたことです。業務禁止命令の対象は、社長、取締役、事業部長など、業務を主導していたとみられる個人。禁止命令を受けた個人は一定期間、新たに企業を立ち上げて同種業務を行うことも禁止されます。17年度中は業務禁止命令の執行が1件もありませんでしたが、18年度では国で26件、都道府県で19件と、計45件もの業務禁止命令が出されました。

「指示」処分も大幅増!

 「禁止」ではなく。業務”停止”命令の件数はというと、国によるものが前年比2件減の13件、都道府県によるものが同2件増の26件ということですから、さほど変化はありません。

 一方で、(何らかの改善策を実行するよう促される)指示処分の件数は、国が前年比2件増の19件で、都道府県が前年比14件増の27件となっていますから、とくに後者で大きく増加していることが分かります。

 業務停止命令と同時に、違法行為があったことの消費者への周知や、コンプライアンス体制の整備等を指示されるケースが多いようです。

 都道府県による処分件数には、地域によって相当ばらつきがあります。たとえば、18年度の業務停止命令の件数をみてみましょう。すると、多い順に、東京都(7件)、埼玉県(4件)、群馬県(2件)、長野県(2件)、福岡県(2件)となっています。

沖縄は特商法の処分ゼロ!

 過去20年間の業務停止命令の件数の集計では、東京都(184件)、埼玉県(107件)、北海道(40件)、静岡県(37件)、神奈川県(34件)、香川県(26件)、栃木県(21件)、大阪府(21件)、千葉県(18件)、愛知県(17件)、福岡県(16件)、福島県(15件)、岡山県(15件)、茨城県(14件)、広島県(12件)、兵庫県(11件)の順となっています。人口数や会社数の多い順には必ずしもなっていないところが興味深いですね。

 ちなみに山梨県、宮崎県、沖縄県の3件は、これまで特商法に基づく業務停止命令を出したことは1回もありません。ただ、これら3件でも指示処分を行なったことはありますし、また、これまでなかったということは、今後ないということを意味しません。さらにいえば、都道府県から処分を受けなくとも、国(消費者庁)から処分を受けたのでは意味がありません。日々、襟を正して、ビジネスに取り組んでいきましょう。