過去の失敗で学んだ「平常時の武器は非常時の凶器」

 わたしは、友人の案内で「3.11東北大震災」の被災地へ行き、数カ所の町々を訪問したことがある。友人に迎えられ飛行場のパーキングを出てドライブしていると、彼は「海は右手にある」と説明し、そして続けた。

 「松の木が数本みえるでしょう。あそこは砂浜で、あの砂浜伝いにたくさんの松の木が生えていた。しかし、ご覧のようにいまは数えるほどだ。かつては松林が砂を防ぐ防風林の役割をしていた」と。

 そこまでは特に驚くことはなかったが、「津波に流されたたくさんの松の木が、家や建物にぶつかり破壊した」とびっくりするような話を続けた。そして、「水に流された車も同じように家や建物を破壊した」と。

 これまで被災地の報告はいろいろな形で受けていたが、この情報は初めてで驚いた。いったいこの悲惨さは何を物語るのだろうか?それは、平常時の必需品は非常時には逆に破壊物になる、ということだ。これは真理だ。

銀行借り入れが「凶器」になるとき

 大城はローンを嫌い、その結果、新しい仕組みのエナジック・ファイナンスを生み出した。融資を組み、十分な運転資金を手元にビジネスの展開、拡張を目論むことができる。

 ビジネスが順調で資金が効果的に回っている景気のいいときは、融資の効用は大である。しかし、ビジネスがいつも景気がよいという保証はどこにもない。ビジネスはいつも流動的で内外の問題で揺らぐことがある。そのような非常時になると抱えている借金は逆効果となり、会社の資金繰りを圧迫してしまう。

 そんな非常時にこそ、銀行は支払いを軽減するとか、支払いを数カ月延長するなどしてくれればいいのだが、そのような銀行は存在しない。

 それどころか、銀行は真っ先に返済を要求する。津波で流され、水の勢いに乗った松の木や車が建物を破壊するように、銀行借り入れが会社の経営を破壊することにもなろう。

 大城はこのことをソニー製品の専門商社を経営したときに体験している。ローンのおかげで、会社、財産、家も全て失くしてしまった。平常時の武器は非常時に破壊的な凶器となることを、ビジネスパーソンは日頃から肝に銘じておきたいものである。

大城夫妻の成功の原点とは?

 近年のハイテク時代の成功者の中には、一夜の内に巨万の富を築く者がいる。自ら会社を興し、成功の頂点に達した人もいる。また、株、不動産投資で名を上げる人もいる。

 成功にはアイデアという資本と、失敗という経験が必須のようだ。大城夫妻は人生の半ばまで、失敗、挫折、そして倒産といった過酷な体験を味わってきた。無一文で東京品川の6畳間に身を横たえて、かろうじて生き残った。彼らの資本は彼ら自身なのだ。失敗から得た忍耐、希望、工夫、たゆまぬ努力、そして賭け。これらが二人のサクセスへの資本金だった。

 「金持ちとはどんな人?」とよく質問される。金持ちとは商品の値段を尋ねないで買う人のことだ、と答える。ここまで到達するのに紆余曲折、多くの狭い道も厳しい道もたどるものである。

 大城は膨大な数の販売店のトップとして、何十カ国も飛び回り、世界中に還元水ビジネスを展開している。地元の沖縄では、ゴルフコース、不動産投資、娯楽施設等、手足の指を合わせても数えきれないほど、多くの会社を所有、経営するサクセス・ロードを歩いている。

 大城の成功の鍵を探すと、彼は母の教えから大きな刺激を受けていることが分かる。沖縄から世界へと舞台を広げながらも、その原点は沖縄であり、母の教えなのである。