エナジックゴルフアカデミーの精神教育に感心

 大城の生家に向かう途中でエナジック瀬嵩カントリークラブに立ち寄った。今回は三度目になるが、素晴らしいゴルフコースに完成した。草木も根づき、青々と若々しいグリーンに、紺碧の空、コバルトブルーの海が映えていた。

 ゴルフをしない人でも誘われるように美しい。打ちっぱなしのスタンドから眩いばかりのグリーンを横目にしつつ、傍らのクラブハウスに足を向けた。ちなみに、クラブハウスの起工式は2015年2月におこなわれた。

壁掛けの「感」に秘められた思い

 迎えて下さったエナジック・ゴルフアカデミーの嘉数森勇校長とは、その数カ月前にロスアンゼルスで会ったばかりで、自然とロスのことが話題になった。

 だが、筆者の目は校長のデスクの後ろの壁掛けに釘付けになった。そこには「感」と力強い筆で書かれている。明らかに専門家の筆だ。しかしなぜ「感」一文字か。校長に聞いたところ、壁掛けを指差しながらこう説明してくれた。

 「この感という文字の下には自由に字を加えることができる。感動ともなり、感謝ともなる。さらに、感激、感奮、感応ともなる。並びを逆にすると直感や万感ともなり、人の感情や思いを引き出すことができる。こうしてゴルファーの卵たちの“感性”を育てることが大事だ」

 そんな説明に筆者は「感心」し、うなずきながら話に聞き入った。プロゴルファーをめざす若者たちにとって、ゴルファーとしての感性を育てることは、勝負を左右する大切な要素になるのだろう。

優れたゴルファー誕生を夢見て

 他人のプレーに感動しなければ、そこから受け取るものはない。若者は「ありがとう」という言葉を忘れがち、とよく非難されるが、お世話になっている人への「感謝」をいつも心に留めたいものだ。

 とかくスポーツの世界は勝ち負けや数字にこだわるが、心の教育から始めることが大事だ。この「感」という文字がもたらす発想の中に、アカデミーの指導者たちが若者たちの“発想の自由”と“オプションの創造”を重要視している姿が垣間見られるのである。

 このクラブハウスで、精神面の教育がなされていることに感服した。また、アカデミーで学ぶ若者たちの中にはかなりの素質があり、大きな期待を寄せられている者もいると聞いた。

 やがてここから優れたゴルファーが誕生し、日本やアメリカのカントリークラブでプロとして活躍する姿が見られるだろう。そんな日を夢みてクラブハウスを後にした。