Q:今年の行政処分はどういう傾向ですか?

A:3月に入って複数の連鎖販売取引業者に取引等停止命令が出ています。

2022年10月に、ある企業へ6ヶ月間の取引停止命令が出されて以降、(エナジックもそうである)連鎖販売業者への行政処分執行はほとんどありませんでした。2月までは訪問販売業者への処分が大半で、契約書面の記載不備や契約解除に関する事項の不実告知、威迫困惑等の違反が対象となっていたのです。しかし3月には1カ月間だけで訪問販売業者3者に加え、連鎖販売業者6社が行政処分を執行されています。前年3月の行政処分執行数は訪問販売業者3社、連鎖販売業社1社でしたから、前年同月比で大幅に増えたことになります。連鎖販売業社の違反内容は、本欄で何度もお伝えしてきた「指名等の明示義務違反、事実不告知、公衆の出入りしない場所における勧誘、断定的判断の提供、概要書面不交付、契約書面不交付」となっています。最後の「契約書面不交付」は主催企業側の違反行為ですが、それ以外の項目は実際に勧誘活動を行なっているディストリビューター(販売店)が犯した違反行為になります。連鎖販売取引は、今まで一般消費者だった個人が(不慣れな)事業主として「一般消費者を勧誘する」取引形態が多いため、一般消費者保護の観点から「特定商取引に関する法律」(特商法)にヒョってさまざまな行政規制や民事ルールが設けられています。法律を守って正しく「事業」を推進していきましょう。